
えん罪は国家による最大の人権侵害の一つであり、起きてはならないことであるが、万が一、えん罪が起きてしまったときは、えん罪被害者は速やかにかつ確実に救済されなければならない。しかし、えん罪被害者の救済手段となるはずの刑事事件の再審制度は、「開かずの扉」とも言われるほど、再審が認められることがまれであり、えん罪被害者の救済は遅々として進まない状況にある。現在の再審制度は、えん罪被害者の救済手段としての意義・役割を十分に果たせていないと言わざるを得ない。
21世紀に入って以降、足利事件、布川事件
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仙台高等裁判所・仙台簡易裁判所判事の岡口基一裁判官(以下「岡口裁判官」という。)は、性犯罪についてSNS・記者会見・ブログ・週刊誌のインタビューで発言したこと、犬の返還を求める訴訟についてSNS及びブログで発言したことを理由として、2021(令和3)年6月に裁判官弾劾裁判所に訴追され、現在、同裁判所での審理が進められている。一方、岡口裁判官は、同年7月、同裁判所から、裁判官弾劾法(以下「法」という。)39条により、職務停止決定が出され、現在まで2年以上も裁判官としての職務が停止されている。
憲法は
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政府は、2022年12月16日、新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画(以下、「安保三文書」という。)を閣議決定し、相手国の領域内にあるミサイル発射手段等を攻撃するための敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を進めようとしている。
しかし、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有は、以下のとおり、従来の政府の憲法9条解釈に基づく専守防衛政策を逸脱し、憲法9条に違反するものであるから、当連合会は、これに強く反対するものである。
1.政府は、これまで、自衛隊が憲法9条2項で禁止される「戦力」にあたらず合憲であるのは
・・・ 続きを読む当連合会は、再生可能エネルギーの導入が急激に促進された結果、地域の生活環境や自然環境・景観などの悪化への懸念から、全国各地で住民の反対運動が生じており、その実情は東北地方でも同様であることから、再生可能エネルギーの導入と地域の環境との調和が必要であり、そのためには住民参加の制度の拡充が必要かつ有効との認識に立ち、国及び地方公共団体に対し、以下のとおりの法制度の改正等を求める。
1 国は、オーフス条約に加入し、それに伴い、環境に関する意思決定への市民参加を権利として認め、その実効性を確保するための国内法制の整備をすべきである。
2 国は
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1 現在、法制審議会の刑事法(情報通信技術関係)部会(以下「本部会」という。)では、刑事手続のIT化の議論が進められている。
本部会では、被疑者・被告人との「ビデオリンク方式」(対面していない者との間で、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法)による接見(電子データ化された書類の授受を含む。以下「オンライン接見」という。)を刑事訴訟法(以下「刑訴法」という。)39条1項の接見として位置付けることが検討されている。
2 憲法34条前段は、何人も弁護人の援助を受ける権利を定め
・・・ 続きを読む本年6月3日から5日にかけて、大阪弁護士会所属の弁護士の事務所のホームページに、「男のクセに女のフリをしているオカマ野郎」「メッタ刺しにして殺害する」などと書いた殺害予告のメッセージが匿名の者から断続的に送られてくるという事件が発生した。
同弁護士は、LGBTなど性的マイノリティの問題に取り組み、自身もトランスジェンダーと公表しているところ、上記メッセージは、同弁護士の属性に対する差別意識や憎悪感情を示し、さらにその活動を妨害するものである。
当連合会及び東北各弁護士会では、これまでも、性的マイノリティへの理解と支援を求める活動を行い
・・・ 続きを読む仙台高等裁判所第1民事部(石栗正子裁判長、鈴木綱平裁判官、竹下慶裁判官)は、2023年6月1日、旧優生保護法に基づく優生手術を強制された被害者に対し、除斥期間を適用して被害者の請求を棄却した原審判決を維持し、控訴を棄却する判決を言い渡した。
本件は、2018年1月30日、旧優生保護法に関する被害に関し、全国で初めて国家賠償法に基づく損害賠償を求める訴訟を仙台地方裁判所に提起した事件で、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(以下「一時金支給法」という。)が2019年4月24日に成立する契機となった事件であり
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政府は、本年3月7日、現在開催中である通常国会に、2021年(令和3年)の通常国会において事実上廃案となった入管法改定案(以下「旧法案」という)の骨格を維持したままの改定案(以下「法案」という。)を提出した。
日本の現在の出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)では、地方出入国在留管理官署(以下「入管」という。)に広範な裁量を認め、全件収容主義を採用し、収容にあたっては収容期間の上限が定められておらず、かつ司法審査が導入されていない。また日本は、諸外国と比して難民認定率が極端に低い。こうしたことから
岸田内閣は、国会閉会後の2022年12月16日、新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画(安保関連3文書)を閣議決定した。この安保関連3文書は、相手国の領域を攻撃する能力(敵基地攻撃能力、反撃能力)を保有し活用していく方針を明記するものである。
しかし、憲法9条の下での個別的自衛権行使に関する従前の政府見解に立ったとしても、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有・行使は、以下に指摘するとおり、憲法9条に反する。
憲法9条は、1項で「日本国民は、・・・国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は
・・・ 続きを読む日本弁護士連合会(以下、「日弁連」という。)及び最高裁判所は、2014年(平成26年)から2016年(平成28年)にかけ、地域司法の基盤整備に関する協議を行い、その結果、2017年(平成29年)4月から、3支部における労働審判取扱の拡大、1支部における裁判官の常駐化、3支部及び2家裁出張所における裁判官のてん補回数の増加等がなされた。この結果は、一定の評価には値するものの、改善がなされた支部・出張所はごく少数にとどまり、仙台高等裁判所管内の支部・出張所はいずれの対象にもなっていないなど不十分であることは
・・・ 続きを読む- 2023-09-13New
- 再審法の速やかな改正を求める会長声明New
- 2023-09-13New
- 岡口基一裁判官の弾劾裁判につき罷免しないことを求める会長声明New
- 2023-07-11
- 憲法に違反する敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有に反対する決議
- 2023-07-11
- 地域社会や自然環境・景観と調和した再生可能エネルギーの導入のために、 住民等の意見が適切に反映される制度の拡充を求める決議
- 2023-07-10
- オンライン接見の法制度化を求める会長声明
- 2023-06-12
- トランスジェンダーの弁護士に対する殺害予告に断固抗議し、性的マイノリティに対する差別の根絶を目指す会長声明
- 2023-06-12
- 仙台高等裁判所の旧優生保護法国家賠償請求訴訟判決を受けて、国に対し、全ての被害者に対する謝罪と速やかな被害回復措置を求める会長声明
- 2023-03-23
- 入管法改正案の提出に強く抗議する会長声明
- 2023-03-23
- 敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有及びその行使のための準備を進めることに強く反対する会長声明
- 2023-02-13
- 日本弁護士連合会及び最高裁判所に対し、地域司法の基盤整備に関する協議を直ちに再開するよう求める会長声明
- 2022-09-15
- 自然災害債務整理ガイドライン・コロナ特則の改定等を求める会長声明
- 2022-07-08
- 地方裁判所支部における民事裁判手続IT化の運用開始にあたり改めて地域の司法基盤の充実を求める決議
- 2022-07-08
- 改めて、国に対し、犯罪加害者家族に対する支援を求める決議
- 2022-04-08
- ロシア連邦のウクライナへの軍事侵攻を強く非難する会長声明
- 2022-03-18
- 東京電力福島第一原子力発電所事故被害者の損害賠償請求集団訴訟の判決確定を受け、あらためて原子力損害賠償にかかる中間指針の改訂を求める会長声明
- 2021-12-23
- 中間指針の改定、被災者の生活再建を支える立法、及び、被災者への差別防止施策を求める決議
- 2021-12-23
- すべての人にとって平等な婚姻制度の実現とパートナーシップ認証制度の創設を求める決議
- 2021-03-17
- 少年法改正に反対する会長声明
- 2021-03-16
- 災害援護資金貸付に関する要請書
- 2020-10-30
- 日本学術会議会員の任命拒否に対する会長声明
- 2020-05-15
- 東京高検黒川弘務検事長の定年延長を行った閣議決定の撤回を改めて求めるとともに、国家公務員法等の一部を改正する法律案のうち検察庁法改正案に反対する会長声明
- 2020-03-16
- 原発事故損害賠償請求権の時効消滅に対応するための立法措置を求める会長声明
- 2020-03-16
- 東京高検黒川弘務検事長の定年延長を行った閣議決定を直ちに撤回することを求める会長声明
- 2019-10-25
- 令和元年台風19号による被害に関する会長声明
- 2019-07-12
- 被災者支援のために「災害ケースマネジメント」の制度化に向けた法改正等を求める決議
- 2019-07-12
- 裁判所支部管内における司法の機能充実を求める決議
- 2019-07-12
- 新屋演習場へのイージス・アショア配備に反対する会長声明
- 2019-07-12
- 旧優生保護法による被害の全面回復を求める会長声明
- 2019-04-11
- 改めて少年法の適用年齢の引下げに反対する会長声明
- 2018-07-13
- 成年後見制度利用促進のための多職種による広域的な連携協働体制の整備及び経済的支援の拡充を求める決議
- 2018-07-13
- 憲法改正国民投票法を抜本的に改正することを求める決議
- 2017-07-10
- 日本国憲法施行70年にあたり、日本国憲法の基本原理及び立憲主義の堅持を求める決議
- 2017-07-10
- 生活困窮者自立支援制度の改善を求める決議
- 2017-05-15
- 震災特例法の再延長等を求める要望書
- 2017-03-21
- いわゆる「共謀罪」法案に反対する会長声明
- 2016-07-01
- 犯罪加害者家族に対する支援を求める決議
- 2016-07-01
- 地域司法の基盤整備に関する協議結果を受けて、改めて裁判所支部管内における司法の機能充実を求める決議
- 2016-07-01
- 消費者庁・消費者委員会・国民生活センターの地方移転に反対する決議
- 2016-02-09
- 夫婦同氏の強制及び再婚禁止期間についての最高裁判所大法廷判決を受けて民法における差別的規定の改正を求める会長声明
- 2015-09-26
- 安全保障関連法案の採決強行に抗議する会長声明
- 2015-09-26
- 少年法の適用年齢の引下げに反対する会長声明
- 2015-07-03
- 憲法違反である「平和安全法制整備法案」及び「国際平和支援法案」 の国会提出に抗議し、その廃案を求める決議
- 2015-07-03
- 裁判所支部管内における司法機能の整備・拡充を求める決議
- 2015-07-03
- 「自然エネルギー100%」による持続可能なエネルギー社会実現に向けた施策を求める決議
- 2015-07-02
- 共謀罪の新設に反対する会長声明
- 2015-05-16
- 災害対策を理由とする国家緊急権の創設に反対する会長声明
- 2014-12-06
- 商品先物取引における不招請勧誘禁止規制緩和策に反対する会長声明
- 2014-09-27
- 裁判所関連予算の大幅増額を求める会長声明
- 2014-07-04
- 集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に強く抗議し その即時撤回を求める決議
- 2014-07-04
- 特定秘密の保護に関する法律の廃止を強く求める決議
- 2014-07-03
- 「東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの 業務の特例に関する法律」の有効期限の延長を求める要望書
- 2014-06-07
- 法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会「事務当局試案」に関する会長声明
- 2014-05-10
- 「通信傍受の合理化・効率化」に反対する会長声明
- 2014-03-22
- 復興事業用地の確保にかかる特例法の制定を求める要望書
- 2013-11-25
- 特定秘密保護法案の廃案を求める会長声明
- 2013-07-05
- 東京電力福島第一原子力発電所事故に係る損害賠償請求権の 消滅時効に関し特別の立法措置を求める決議
- 2013-07-05
- 被災地の復興を促進するため、新たな法制度及び制度の改正・改善を求める決議
- 2013-06-08
- 被災ローン減免制度の不当な運用の改善を求める会長声明
- 2013-03-30
- 秘密保全法制の制定に反対する会長声明
- 2013-03-30
- 普天間飛行場へのオスプレイの配備撤回及び国内におけるオスプレイの 飛行の全面中止を求める会長声明
- 2013-02-08
- 東京電力株式会社の福島第一原子力発電所事故による 損害賠償の消滅時効の取扱についての会長声明
- 2012-07-06
- 個人保証の原則的な廃止等を求める決議
- 2012-07-06
- すべての裁判所支部管内における司法の機能充実を求める決議
- 2012-07-06
- 原子力発電と核燃料サイクルの廃止を求める決議
- 2012-06-27
- 大飯原子力発電所再稼働決定の撤回等を求める会長声明
- 2012-02-03
- 東日本大震災の被災者への「法的支援事業」特別措置法 の制定を求める会長声明
- 2011-12-03
- 各種人権条約に基づく個人通報制度の早期導入等を求める決議
- 2011-10-01
- 原子力損害賠償紛争解決センター和解仲介手続を 各地で実施するよう求める会長声明
- 2011-07-08
- 福島第一原子力発電所事故を早急に収束させ、住民の安全を確保し、汚染地域の原状回復等を求める決議
- 2011-07-08
- 東日本大震災の被災者救済と被災地の復旧・復興を求める決議
- 2011-07-08
- 日本国籍を有しない者の調停委員任命を求める決議
- 2011-07-08
- 暴力による弁護士活動への妨害行為に対し断固として立ち向かうことを誓うとともに、秋田における弁護士刺殺事件での警察の対応について徹底した調査・検証を求める決議
- 2011-06-04
- 被災者の信用情報の取扱について|2011(平成23)年6月4日東北弁護士会連合会
- 2011-05-21
- 権利保全特別措置法第6条の適用に関する意見書|2011(平成23)年5月21日東北弁護士会連合会
- 2011-05-21
- 東日本大震災への罹災都市借地借家臨時処理法の適用に関する意見書|2011(平成23)年5月21日東北弁護士会連合会
- 2010-11-04
- 秋田弁護士会所属弁護士の殺害事件に関する会長声明
- 2010-07-02
- 司法修習生に給与を支給する制度の継続を求める決議
- 2010-07-02
- えん罪防止のために取調べの全面可視化と全ての証拠開示を求める決議
- 2010-07-01
- 国選付添人対象事件の拡大を求める会長声明
- 2009-07-03
- 地方消費者行政の充実を求める決議
- 2009-07-03
- 緊急貧困対策、労働法制の抜本的改正及びセーフティネットの再構築を求める決議
- 2009-04-04
- 取調べの可視化(取調べの全過程の録画)を求める会長声明
- 2009-02-13
- 裁判員制度の実施にあたって留意すべき問題点に関する意見書|2009(平成21)年2月13日東北弁護士会連合会