2026年度(令和8年度)の東北弁護士会連合会の会長を務めることになりました仙台弁護士会の小野寺友宏(おのでらともひろ)です。就任のご挨拶を申し上げます。
 東北弁連は、東北6県の各弁護士会で構成される弁護士会連合会です。6県の弁護士会に所属する弁護士の総数は、2026年(令和8年)年4月1日現在、1087名です。各弁護士会の内訳は、青森県弁護士会 108名、秋田弁護士会77名、岩手弁護士会112名、山形県弁護士会101名、仙台弁護士会497名、福島県弁護士会193名となっています。
 東北弁連は、各地の高等裁判所に対応する形で全国に8つ(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国地方・四国・九州)存在する弁護士会連合会のひとつです。各弁連は、日弁連と各弁護士会との間に立ち、日弁連役員や委員の推薦を行ったり、両者間の協議の仲介などの役割を担っています。また、司法や弁護士会が直面している諸問題に対して、会長声明などの形で意見表明を行っております。
 東北弁連は毎年7月に定期弁護士大会を開催して、シンポジウムを開催し、大会決議や宣言等の意見を採択しております。今年度は、7月3日に、仙台市青葉区の江陽グランドホテルで大会が開催されます。当日の午前には、民事訴訟のデジタル化(訴状の提出、訴訟記録の閲覧、口頭弁論を含む各種訴訟手続きをオンラインで行えるようにする運用の改正)の実務や課題をテーマとしたシンポジウムが開催される予定です。
 東北弁連は、これまで弁護士過疎・偏在の解消、地域司法の充実・強化を、重点的な課題と位置づけて取り組んで参りました。この課題については、民事訴訟等のデジタル化の進展により、裁判官が裁判所にいなくても裁判手続きを主催することができるという流れができて、裁判所支部・出張所の統廃合など、地域の司法基盤が縮小してしまうのではないかという点が懸念されております。民事訴訟のデジタル化の問題点を取り上げるシンポジウムの開催を機に、司法機関が私たちの身近にあること自体が市民に対する人権保障を手厚くするとともに、その地域の権利意識や法の支配の基盤となっているという地域司法の重要性を訴えていきたいと思います。
 また、東北弁連の重要な課題という意味では、今年で15年目をむかえる東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興の支援があげられます。時間の経過とともに、震災への関心が薄れていくことが懸念されますが、まだ復興は道半ばであり、引き続き重要な課題と位置づけて、被災された一人一人の方々の力になれるよう復興支援に取り組んでいきたいと思います。
 刑事司法の分野においては、当連合会が2025年(令和7年)7月の定期総会で採択したオンライン接見の実現が重要な課題です。東北弁連管内においては、遠隔地に刑事施設や留置施設がある地域も多く、それに加え冬期になれば積雪や吹雪等によって移動自体が困難となり、接見交通(身体を拘束されている被疑者・被告人が、弁護人等と面会等のやり取りを行うこと)に重大な支障をきたす地域が少なくありません。こうした支障を克服し、弁護人による適時・適切な接見を実現するためには、地理的条件を問題としないオンラインによる接見が是非とも必要であり、引き続き早期の法整備を求めていきたいと思います。
 そのほかにも取り組まなければならない課題は多いのですが、「東北は一つ」という東北弁連の合い言葉のもとで、東北6県の弁護士会の皆様と連携をはかりながら諸課題に取り組んでいきたいと思います。各会の皆様のご支援・ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

  2026年(令和8年)4月4日